Raspberry Pi 有線LANと複数の無線LANの固定IPアドレスを設定する

ラズパイの設定が終わり使えるようになったはいいが、小さいラズパイに大きなディスプレイやキーボードがつながっているのが邪魔になったりしていませんか?
別のPCやタブレットからラズパイを遠隔操作すれば、ディスプレイやキーボードは不要です。
リモート接続できるよう、ラズパイのIPアドレスを決めてしまいましょう。

有線LANの固定IPアドレス設定

有線LAN(イーサネット)接続の場合の固定IPアドレスを設定します。

/etc/dhcpcd.conf を任意のテキストエディタで開く

( nano を使用した例)

sudo nano /etc/dhcpcd.conf

設定するIPアドレスを入力し、保存する

# イーサネット(有線LAN)の設定
interface eth0
static ip_address=(IPアドレスを指定する)
static routers=(デフォルトゲートウェイのアドレスを指定する)
static domain_name=(DNSサーバーのアドレスを指定する)

<入力例>
f:id:viba:20180806142718p:plain

OS を再起動すると、設定が反映される

f:id:viba:20180806142815p:plain:left
デスクトップ右上のネットワークのアイコンをクリックすると、設定したIPアドレスで接続されていることが確認できます


無線LAN固定IPアドレス設定

無線LANWi-Fi)接続の場合の固定IPアドレスを設定します。
ここでは、複数個所のWi-Fi、ステルス(SSIDを隠している)設定のWi-Fiパスフレーズの暗号化を行います。

接続するアクセスポイントのパスワードを暗号化する(暗号化しない場合はこの手順は不要)

wpa_passphrase を実行して、パスフレーズを暗号化する

wpa_passphrase "(SSID)" "(パスワード)"

<入力例>
f:id:viba:20180806144927p:plain:left
実行すると、SSID 、生パスワードのあとに、暗号化されたパスワードが表示される(「psk=」の後の長い文字列)

「psk=」の後に表示されたパスワードをメモしておく(後に使用するため)

暗号化されたパスワードは長いので、空のテキストファイルにコピー&ペーストしておくとよいです

wpa_supplicant.conf を編集する

/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf を任意のテキストエディタで開く

sudo nano /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

接続する WifiSSID とパスワードを入力し、保存する

network={
    ssid="(SSID名)"
    psk=(パスワード)
    scan_ssid=1
    priority=5
    id_str="(SSIDの通称)"
}

各項目の意味は以下のとおり

項目名 意味
ssid SSID
 ※ダブルクォーテーション(”)でくくる
psk パスワード
 ※生パスワードを入力する場合は、ダブルクォーテーション(”)でくくる
 ※暗号化パスワードの場合は、くくらずにそのまま入力する
scan_ssid ステルス機能ONのWi-Fiに接続する場合は「1」を設定する
 ※ステルス機能OFFの場合は、省略可
priority 複数のWi-Fiを検出した場合の優先順位を数字で入力する
設定した数字が大きいほど優先度が高い
 ※省略可
id_str SSIDを識別しやすい文字列を入力する
 ※ダブルクォーテーション(”)でくくる
 ※省略可

<複数の Wi-Fi を設定した例>
f:id:viba:20180807154809p:plain

dhcpcd.conf を編集する

/etc/dhcpcd.conf を任意のテキストエディタで開く

( nano を使用した例)

sudo nano /etc/dhcpcd.conf

設定するIPアドレスを入力し、保存する

# Wi-Fi(無線LAN)の設定
interface wlan0
static ip_address=(IPアドレスを指定する)
static routers=(デフォルトゲートウェイのアドレスを指定する)
static domain_name=(DNSサーバーのアドレスを指定する)

<入力例>
f:id:viba:20180807155128p:plain

/etc/network/interfaces の設定手順を紹介している記事もありますが、最新のOSでは設定不要です

OS を再起動すると、設定が反映される

f:id:viba:20180807155431p:plain:left
デスクトップ右上のネットワークのアイコンをクリックすると、設定したIPアドレスで接続されていることが確認できます
1行目:有線LANのIPアドレス
2行目:無線LANのアクセスポイント
3行目:無線LANIPアドレス


これで、ラズパイがネットワーク接続されました。